モビットは自営業者に適したローン?その特徴と他社との違いとは
自営業者ではその収入が他の職業の方よりも不安定になりやすいので、一般的にカードローンを利用しにくいといわれることがありますよね。ローンによってはアルバイトやパートの方よりも審査に通りにくいこともあるようです。(参考ページはこちら→職業が融資審査にマイナスとなる場合も)
自営業者にとっては収入が不安定になるからこそ困った時にお金を気軽に借りられる手段が必要であり、それをカードローンに期待している方は多いのではないでしょうか。今回はモビットが自営業者向として適しているかどうかを確認していきます。
モビットは自営業者を対象としているのか、利用するにあたって他の職業の方と何が違うのか、他社と比べて有利なのか、得な面があるのか、といったモビットの自営業者に対する特徴、メリットや注意点などを紹介していきましょう。
モビットでの自営業者の利用
まずここではモビットのカードローンが自営業者を対象としているのか、対象としている場合の利用条件、利用上の制限の有無など、彼らに対する基本的な取り扱いがどうなっているかを確認していきましょう。
(⇒モビットにも専用の審査基準があります)
自営業者は利用対象者なのか
モビットのカードローンの利用対象者は、年齢が満20歳以上69歳以下で安定した定期的な収入のある人、ということになっています。そして、職業的には同社の社内基準を満足できるアルバイト、パート、派遣社員や自営業者も利用可能となっています。
自営業者の利用条件
モビットは、自営業者向ローンやビジネス専用ローンというものがない1種類のカードローンです。そのため自営業者も他の職業の方と同じ1つのローンを利用することになりますが、その利用条件も他の方と同じです。
表1:利用条件
条件項目 | 内容 |
---|---|
利用限度額 | 1万円~800万円 |
金利(実質年率) | 3.0%~18.0% |
審査時間 | 審査時間:10秒簡易審査 |
借入方法 | 振込キャッシングと提携ATMでのキャッシングが可能※申込の曜日、時間帯によっては翌日以降の取扱となる場合があります。 |
返済方式、返済方法 | 借入後残高スライド元利定額返済方式 約定返済と追加返済、口座振替・銀行振込・ATM入金での返済が可能 |
返済期間・回数 | 最大106回(最長)8年10ヶ月 |
担保・保証人 | 不要 |
つまり、自営業者でも同社の基準に適合すれば、利用限度額は最高800万円まで利用が可能であり、その限度額や状況に応じて金利も3.0%~18.0%で設定されることになるわけです。自営業だからという理由で他の方と利用条件が変わるということはないのです。
ローンによっては自営業者専用カードローンの利用を勧めたり、同じローンの利用でも借入条件で差があったりして他の職業との違いのあるケースもみられますが、モビットに関してはそうした心配はないといえるでしょうね。
事業性資金としての融資は可能か
モビットのカードローンによる資金使途については同社のサイトで示していませんが、他のローンと同様に基本は生計目的といえるでしょう。しかし、個人の自営業者に対する事業性資金の融資は一定の条件付きで可能と考えられます。
モビットは消費者金融なので総量規制の適用を受けますが、その規制では自営業者の事業性資金等の借入れに対して、事業計画、収支計画や資金計画の確認により返済能力を有していると認められればモビットは金額の上限なしに融資ができます。
また、上記のケースでは融資金額100万円以下となる場合、上記の計画のかわりに事業・収支・資金繰りの状況が判断できる簡易な書類の提出を得ることで融資することも可能で同社でも自営業者に求める場合もあるでしょう。
もちろんモビットが総量規制どおりにローンを運用すれば自営業者の方に対しては事業性資金以外の生計のための資金、教育やレジャー等の資金として事業所得の3分の1までを融資することができます。
自営業者は他と比べて不利なのか
モビットではアルバイト、パートや自営業の方でも利用できますが、利用上の違いが何かあるかどうかをここで確認していきます。
ローンによっては職業間による利用条件、手続きや審査などで差を設けているところもあるので、モビットでの状況をみていくことにしましょう。
借入条件の差
先ほど確認したとおりモビットの借入条件は職業ごとに異なる内容を設定していません。いくらまでなら借りられるか、どの程度の金利で借りられるかは職業に関係なくその申込者の信用力や返済能力によって決められると考えてよいでしょう。
つまり、企業に勤める正社員でも、パート、学生のアルバイト、派遣社員、そして自営業者でも各々どの程度の信用力があり、どれほどの安定した収入があるか、といった審査基準に照らして評価され、それに対応する条件で融資が行われるわけです。
「自営業者だから限度額は50万円まで、金利は16%まで」というような設定はないので、自営業者でも一定の事業歴を有し安定的な収入を得ていれば正社員などと同様の借入条件で融資を受けることができるでしょう。
ただし、それはあくまで自営業者の収入が安定的に確保できていればの話であり、収入が少なく不安定であれば、その状態に見合った評価が下されアルバイトやパートの方よりも劣る条件での借入れとなってしまうこともあるわけですね。
他の職業との審査に関する差
一般的にカードローンの審査では安定した継続的な収入がどれだけあるかが重要な評価対象になるといわれています。
そのため正社員に比べて、アルバイトや自営業者などの収入の不安定な職業の方の評価は低くなるとみられています。正社員の場合は企業が倒産したり、利用者が退職したりすることがなければ定期的な収入の確保は比較的容易といえるでしょう。
一方、自営業者はその事業基盤が脆弱であったり、起業して間がなかったり、景気動向に大きく左右されたりすることが多いため、事業の継続や収益が不安定になりやすいです。その結果、自営業者の収入は他の職業よりも不安定とみられることが多いわけですね。
そのため他の職業と比べローン審査での評価が厳しくみられると考えてよいでしょう。正社員やアルバイトなら前年度の年収や2カ月の給料などの額をもとに返済能力の評価が行われますが、自営業者は複数年の内容で評価されることもあるのです。
モビットの審査の内容については公表されていないため実際にどのような評価がされているか不明ですが、自営業者に対する評価は他の職業よりも厳しいと考えてよいでしょう。
そのため自営業者の業績が2期連続で赤字というような悪い状態で低い所得が続けば最も審査に通りにくい職業になるかもしれません。もちろん業績が安定して一定の収入が確保できていれば他とあまり評価の結果に違いは出ないでしょう。
利用者による手続き上の違いは?
カードローンの利用対象者が学生、主婦や自営業者などの違いにより申し込みや審査などに関する手続きの内容が異なることがあります。
モビットの場合、利用者や職業による手続上の大きな違いはないといえますが、必要書類などで若干異なるケースがあります。例えば、自営業者の場合は事業計画、収支計画や資金計画の確認が必要となるケースがあるわけです。
具体的にはモビットは「営業状況確認のお願い」という書類を自営業者に提出させて、営業状態の確認を行っています。それは3つの計画について前年と同様なのか、増減がどれだけなのか、新規の計画を立てるのか、といった点を確認する書類となっています。
こうした書類の提出は他の職業の方にはないもので自営業者だけが要求されています。自営業者には若干手間がかかりますが、評価が厳しく行われる職業なので曖昧なデータを記入することなくできるだけ正確なデータを提供したほうがよいですね。
また、モビットには「WEB完結申込」というWEB上の手続きだけで契約を締結できるサービスがありますが、自営業者は結果的に実施しにくいという手続き上の違いがあります。
WEB完結申込を行うにはいくつかの条件がもうけられていますが、勤め先を確認できる書類として、健康保険証書と給与明細書が求められています。健康保険証は社会保険証か組合保険証となっており、自営業者は保有しないものです。
つまり、この要件が厳格に適用されれば自営業者はWEB完結申込を実質的に利用できなくなるわけですね。
他社と比べた自営業者の利用
今まではモビット内での自営業者に対する取扱いや特徴をみてきましたが、他社と比較した場合の内容をここでは確認していきましょう。
自営業者に対してモビットのカードローンは他のローンとどう違うのか、借入条件、審査や利便性の点でどのような差があるのかないのか、といった点を紹介していきます。
ローンの位置づけ
前に確認したとおりモビットのカードローンは1つであり、企業に勤める正社員も自営業者も同じローンを利用します。
しかし、他の消費者金融などでは自営業者に特化した専用ローンを設けているところもあります。例えば、他の大手消費者金融などではいわゆる自営業者向カードローンやビジネスローンをラインナップしているのです。
これらのローンの利用目的は事業性資金に特化しているタイプと、事業性資金と生計用資金の両方を兼ねたタイプに分かれますが、自営業者向ローン商品として位置づけられています。
つまり、モビットでは自営業者を特別に意識したターゲットとしていないのに対して、他の消費者金融では彼らを個別のターゲットとして設定しその需要を取り込もうとしているといえるでしょう。
自営業者にとってモビットのように専用ローンがない場合と他社のように専用ローンがある場合とではどちらがよいか気になるところですが、結論としては借入条件がよく審査にも通りやすいのであれば専用ローンにこだわる必要はないでしょうね。
表2:自営業者向カードローンの種類
消費者金融 | ローン名 | 対象者 | 使途 |
---|---|---|---|
A社 | 事業サポートプラン(個人プラン) 事業サポートプラン(法人プラン) |
個人事業主 法人 |
事業性資金 事業性資金 |
B社 | 自営者カードローン | 個人事業主 | 事業性資金と 生計用資金 |
C社 | ビジネスサポートカードローン | 個人事業主 | 自由 |
借入条件
他の大手消費者金融には使途に多少の違いはりますが自営業者向けの専用カードローンが用意されており、利用者としては選択しやすいかもしれませんね。しかし、借入条件が一般のカードローンの内容と多少異なるので注意が必要でしょう。
自営業者向専用ローンの特徴としては、融資限度額が300万円程度に抑えられている点が挙げられるでしょう。一般のカードローンの場合は、どの事業者もモビットと同様に最高800万円で設定しているので、専用は200万円ほども少ないことになります。
利用者が一般ローンと専用ローンの両方を利用するケースもあるでしょうが、専用ローンだけを利用する場合はモビットよりも200万円少なくなります。そのため、金利面などで有利にならなければ専用ローンを利用する価値はそれほど高くないかもしれないですね。
また、専用ローンの金利に関しては限度額が300万円までなので、一般ローンやモビットよりも下限金利が高くなっています。特にA社とC社の下限金利は12%台であり、モビットなどと比べて高めの設定といえるかもしれません。
もちろん審査の結果次第ではどのローンもそれほど差が開かないかもしれませんが、基本スペックだけを考えればモビットの利用価値は低いものでないことがわかりますね。
表3:自営業者向けカードローン
消費者金融 | 実質年率 | 融資限度額 |
---|---|---|
A社(個人向) (法人向け) |
12.775%~18.0% 12.775%~18.0 |
250万円まで 300万円まで |
B社 | 6.3%~17.8% | 300万円まで |
C社 | 12.0%~18.0% | 300万円まで |
(モビット) | 3.0%~18.0% | 800万円まで |
利便性の違い
大手消費者金融での借入れと返済を行う利用環境はそれほど大きな違いはなく、どの事業者でも利用は便利といえるでしょう。
ただし、自営業者向ローンに限ってみれば、手続きや利用する上で若干の違いがみられます。特に返済に関しての条件が一般のローンと比べ多少長くなってゆっくりと返済できるケースもあるので知っておいた方とよいでしょう。
事業者間での比較ではA社の専用ローンが最長10年という長期間の設定になっていますが、他の2社は7年足らずの返済期間となっています。モビットの場合は専用ローンではないですが、期間は(最長)8年10ヶ月であり返済期間で見劣りすることはないですね。
申込者が準備する必要書類として、収入証明書や事業状況を確認する書類(事業・収支・資金の計画)などが求められますが、どのローンでもそれほど手間のかかる資料を要求しているとはいえません。
しかし、各ローンでは独自の資料を求めているので事前に提出できるように用意しておきましょう。例えば、A社では「事業内容確認書」、B社では「事業を疎明する書類」、モビットでは「営業状況確認のお願い」がそれに当たるので注意しておきたいですね。
表3:自営業者向けカードローンの利便性
消費者金融 | 返済期間・回数 | 必要書類 |
---|---|---|
A社 個人向 法人向 |
最長10年(120回) | 個人向: 本人確認書類、確定申告書(青・白)、 同社指定の事業内容確認書 法人向: 代表者の本人確認書類、決算書2期分、 商業登記簿謄本 |
B社 | 最長6年9カ月・1~80回 | 本人確認書類、確定申告書、青色決算申告書 |
C社 | 最長6年9カ月・1~80回 | 本人確認書類、確定申告書、 限度額が100万円超の場合は青色決算申告書、収支内訳書が必要 |
モビット | (最大)106回/(最長)8年10ヶ月 | 本人確認書類、確定申告書などの収入を証明する資料、「営業状況確認のお願い」 |
自営業者のモビットでの注意点
自営業者がモビットのカードローンを利用する場合に注意しておきたい点を最後に紹介しておきましょう。既にいくつか気を付けなければならない点も取り上げてきましたが、それら以外の重要な点を確認しておきます。
審査時間は長くなることもある
既に確認しましたが、自営業者の返済能力を評価することは一般の会社員よりも難しいでしょう。特に起業して間のない企業やベンチャー企業などの評価は難度が高くなるかもしれません。
つまり、他の職業よりも評価の判定が難しくなりやすい分だけ審査時間が長くなる可能性が高いと考えられるわけですね。実際に、モビットの審査通過者の口コミをみていると自営業者が短時間で回答を得られているケースは少ないといえるでしょう。
モビットだけに限ったことではないと思われますが、審査時間が「最短30分」という広告をそのまま鵜呑みにしていると当てが大きく外れる恐れがあるので注意しておきましょう。自営業者の方で融資を急いでいる方は必要な書類を事前に用意して提出するとともにできるだけ早めに申し込むことを心がけたほうがよいかもしれませんね。
うっかりの信用事故にも注意を!
自営業者がローン審査に通る、通らないという点に関して事業所得の大小や安定度が大きく影響するのは間違いないでしょうが、信用力も当然重要な評価要素として認識しておかねばなりません。
返済能力面の評価が悪くなりそうな場合に信用事故などを起こしているとさらに評価は悪くなり審査通過が一層困難になってしまいます。そのためうっかりして支払いを忘れてしまうようなことがないように注意したいものですね。
カードローンはもちろんですが、商品代金や電話料金などの支払いをクレジットカードで済ます場合に入金するのを忘れて滞納期間が長くなってしまうと信用事故として信用情報機関に記録が残ることもあります。
そうした信用事故はローン審査で致命傷になりかねないので、返済管理をしっかり行い事故の防止に努めてほしいですね。
できるだけ短期の利用がオスス!
消費者金融のカードローンの金利は銀行の事業者向けローンよりも高くモビットの場合も同様です。少額のお金を多少長期に渡って借入れしていても利息の負担はあまり大きくならないでしょうが、100万円以上にもなってくると話は変わってきますね。
特に200万円以上の借入れをすると利息は相当負担の重いものになるでしょう。モビットに限らずカードローンを利用して大金を借りる場合は短期間での返済を心がけたいですね。(参考ページはこちら→短期間でお金を返す為には)
特に事業性の資金として借りる場合は長期の運転資金や設備投資の使途としてではなく、短期間で返済見込みが持てる繋ぎ資金として使うのが望ましいでしょう。
多少まとまったお金でも1カ月後にはお客から入金されるのでローンに返済できる、といったケースでの利用に適していると思われます。大金を何年にもわたって返済するような使途では返済が困難になりやすいことを忘れたくないですね。
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